1.前立腺肥大症とはなんでしょうか?
前立腺肥大症は、男性の通り道(尿道)のすぐそばにある前立腺の移行領域という場所にこぶのようなもの(腺種)ができるため、尿道が狭くなって尿が出にくくなる病気です。 また、それ以外に腺腫が膀胱のなかに飛び出して膀胱を刺激するために、尿の回数が多くなる症状もみられます。 実際にはこうした症状は前立腺肥大症があるからといって必ず起こるわけではなく、前立腺部尿道の抵抗と膀胱排尿筋の強さのバランスによって変化します。
2.症状
症状は大きく分けて尿排出困難などの下部尿路閉塞症状と、頻尿(特に夜間)や突然トイレに行きたくなって我慢ができない尿意切迫感などの膀胱刺激症状です。 また両方の症状を持つことも多くあります。 最近はこうした症状を客観的に評価するために国際前立腺症状スコア( IPSS )が用いられています(表1)。 合計点で0−7点が軽症、8−19点が中等症、20−35点が重症です。 IPSS は患者さんの自覚症状を定量化し、治療方針の決定や治療効果の判定に用いています。夜間頻尿を主訴とする場合、この原因が必ずしも前立腺肥大症によらず、夜間多尿、睡眠障害などによる場合もあります。そこで患者さんに数日間排尿日誌(排尿時刻・1回排尿量・尿失禁量・残尿感の有無・飲水量等)を記載してもらえれば排尿パターンを把握できますので、夜間頻尿の原因を調べるために有用です
3.治療法
前立腺肥大症の治療法はお薬による治療(薬物療法)と手術療法に分けられます。 一般的に IPSS で中等症以上の人が治療対象になります。
薬物療法ではα 1 −ブロッカーが前立腺や膀胱頸部の平滑筋の収縮を防ぎ、尿道内圧を低下させます。 これによって排尿困難などの自覚症状を改善させ、他覚的にも残尿量を減少させます。頻尿などの膀胱刺激症状に対しての薬物療法として抗コリン剤がありますが下部尿路閉塞が強い場合・残尿が多い場合は尿閉(おしっこがでない)を引き起こす可能性があり注意が必要です。
手術療法では内視鏡で前立腺を細かく削る経尿道的前立腺切除術( TUR − P )や、前立腺被膜下摘出術、レ−ザ−治療法、高エネルギ−焦点式超音波治療法、前立腺高温度療法等があり、薬物療法無効例等に選択されます。
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