尿路、性器の先天異常を対象としています。
最も頻度の高い疾患は包茎、停留精巣で、夜尿症も頻度の高い疾患です。
1. 包茎: 包茎に対する外科的治療は、感染を繰り返す真性包茎が適応であり、短期入院で治療可能です。
2. 停留精巣: 精巣は、最初は胎児のおなかのなかにあるのですが、妊娠8ヶ月までに陰嚢内に下降します。 これがうまく行かないのが停留精巣で、程度は様々です。 停留精巣は、程度に応じて治療内容が変わります。 最も高度なものは体外から全く触知できないような非触知精巣ですが、これに対しては、各種画像診断の他に腹腔鏡で存在を確認し、治療方針を決定します。 最近では、精巣固定術はなるべく早いうちに、具体的には1−2歳までに行うべきであるという考え方が一般的です。
3. 尿道下裂: 陰茎の先天異常の代表として、尿道下裂があります。 最近では、高度な症例に対しては Modified OUPF 4法、軽度な症例には Snodgrass 法などの新しい術式を使い分けることによって、1回で手術を終わらせる1期的尿道形成術を行っています。 尿道の先天異常としては後部尿道弁などがあり、内視鏡的に治療が可能です。
4. 膀胱尿管逆流症: 尿路感染を契機として発見される先天異常の代表として、膀胱尿管逆流症があります。 軽度では経過観察、保存的治療とし、高度な逆流に対しては、手術的治療を行う方針です。
5. 先天性水腎症: 腎臓や上部尿路の病気では、腎盂尿管移行部狭窄や尿管膀胱移行部狭窄などによる水腎症が頻度が高く、最近ではそのほとんどが出生前超音波断層法によって診断されます。 閉塞部位の診断を行い、適応に応じて開放性手術ないし内視鏡的形成術を行っています。
6. 夜尿症: 夜尿症(夜間遺尿症)は、小学校高学年までであればきわめて頻度の高いものであり、これを過ぎると自然に治癒する場合がほとんどです。 現在は、内服による薬物療法や、抗利尿ホルモン剤の経鼻的スプレー投与が健康保険適用となりました。 夜尿症と比較して昼間遺尿症は明らかに病的であり、排尿機能や尿路造影などによる精査が必要です。
7. 二分脊椎症: 生まれつき膀胱の神経が障害されているために排尿がうまく行かない疾患として、二分脊椎症があります。 これは、生まれる前に脊椎(背骨)がくっついてその中に脊髄を入れる輪のようになるのですが、これがうまく行かないために起こる病気です。 二分脊椎症に対する神経外科的治療を行った後、泌尿器科外来での排尿管理と腎機能の評価を継続して行い、腎機能の荒廃や尿失禁の増悪を起こすような場合には膀胱拡大術を行います。 |