副腎腫瘍 山梨大学大学院医学工学総合研究部 泌尿器科学 副腎腫瘍

山梨大学大学院 医学工学総合研究部 泌尿器科学

副腎腫瘍 山梨大学大学院医学工学総合研究部 泌尿器科学 副腎腫瘍

 



副腎について


副腎は左右の腎臓の上に1つずつ存在する通常は長さ2〜3cm、厚さ2−3mmの小さな臓器ですが、生命活動の維持や血圧・電解質などの調節に重要な働きをするさまざまなホルモンを産生する重要な臓器です。 副腎に腫瘍ができて、これらのホルモンの分泌が過剰になると、高血圧をはじめとしたさまざまな症状が出現することがあります。 特に若いときから血圧が高い方は、副腎腫瘍の疑いがあります。 最近は、CTなどの画像診断の普及によって、副腎腫瘍が見つかることが非常に多くなりました。

副腎腫瘍

腫瘍とは同じ細胞が正常の速さを越えて増殖することですが、副腎のなかで増殖した細胞の性質によって現れる症状が異なってきます。 副腎の外側を皮質、内側を髄質と呼び、それぞれからできる腫瘍を副腎皮質腫瘍、副腎髄質腫瘍と呼んでいます。 たいていは良性の腫瘍ですが、まれに癌ができることもあります。
以下主なものをご紹介します。
(副腎皮質腫瘍)
クッシング症候群   :副腎皮質ホルモンのなかで、糖質コルチコイドが過剰となり
ます。 顔が丸くなる満月様顔貌、おなかが太るが手足は細くなる中心性肥満、筋力低下、糖尿病、皮膚線条、多毛症、さらには精神症状などの多彩な症状を示します。 また、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなりますので、
肺の結核や真菌症(カビ)になることがあります。 最近では、CTなどの画像診断が普及しましたので、外見からは分からないような初期のクッシング症候群が見つかるようになりました。

原発性アルドステロン症:副腎皮質ホルモンのなかで、アルドステロンというホルモンが
過剰となります。 高血圧や、脱力感などの症状がみられます。  高血圧患者
さん全体のなかで、1%くらいがこの病気であると言われています。

(副腎髄質腫瘍)
褐色細胞腫      
:カテコールアミンという血圧を上げたり、脈拍を早くする
働きのあるホルモンが過剰となっている状態です。 血圧が200oHg以上になったり、突然血圧が上がったりすることがあり、頭痛、動悸、頻脈、体重減少なども起こります。
(副腎皮質癌)    
:比較的稀です。 ホルモンを産生するものとしないものが
あります。

治療

診断、治療方針は当院では内科と連携を持って行っています。 クッシング症候群、
原発性アルドステロン症、褐色細胞腫では、腫瘍を摘出することによって高血圧などの異常を治すことができます。 当科ではこうした腫瘍のほとんどはおなかを開かずに腹腔鏡下的に摘出していますが、こういう手術を「腹腔鏡下手術もしくは後腹膜鏡下手術」と呼んでいます。 おなかに1cmくらいの傷を4箇所あけるだけでほとんど切らずにできますので、傷跡が目立たず、術後の痛みが少なく、回復が早いのが最大の利点です。 筋肉をほとんど切りませんので、肉体労働やスポーツも術後すぐにできるようになります。 当科の武田正之教授は、1992年に日本ではじめてこの手術に成功し、日本でも最も多くの手術経験を持っています。
非常に大きくて周囲と強く癒着している腫瘍や、副腎皮質癌では、安全性と確実性の点から、内視鏡手ではなくて開腹術による摘出を行う場合があります。 




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